研究課題/領域番号 |
08557013
|
応募区分 | 試験 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
|
研究分担者 |
浦山 修 秋田大学, 医学部, 助教授 (90114743)
高田 五郎 秋田大学, 医学部, 教授 (40047254)
田中 俊誠 秋田大学, 医学部, 教授 (40002216)
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
富田 靖 秋田大学, 医学部, 教授 (70108512)
|
キーワード | 単離DNA / 抗ssDNA抗体 / アポトーシス / 発生・分化 / 癌化 / DNAラダー |
研究概要 |
1.2本鎖DNA(calf thymus)をアルカリ変性して、1本鎖DNAとメチル化ウシ血清アルブミンと混合してウサギに免疫して、抗体価の上昇した血清に熱変性サケ精子DNAを加え、免疫複合体として沈殿物を集め、抗ssDNA特異抗体を精製した。 2.得られた抗ssDNA抗体の特異性と抗体価をELISA法にて検討した結果、poly(dT),poly(dC),poly(dG-dT)およびpoly(dA-dT)と強い反応性を示した。これは本抗体がポリクローナル抗体であるため種々の塩基配列のssDNA構造を認識する抗体ポピュレーションの集合体であることを示唆した。 3.本抗体のssDNAとの結合における最小DNA鎖長は、ゲルシフトアッセイにより、本抗体がDNA上の種々の塩基配列の比較的短い単鎖領域(最小鎖6塩基)を認識することが判明した。従って、本抗体がアポトーシス細胞に特徴的なエンドヌクレアーゼ消化により生じるDNAの切断末端を検出できると結論された。 4.ラット肝より単離した核をMg^<2+>,Ca^<2+>存在下で反応させ、得られたオリゴヌクレオソームおよびそれから抽出して得たDNAを本抗体を用いてウエスタンブロットを行なったところ、DNAラダーおよびオリゴヌクレオソームをそれぞれ検出することが出来た。以上の結果より、本抗体がアポトーシス細胞を簡便に検出するプローブとして有用であることが証明された。 5.正常なラットおよびヒトの小腸上皮、胸腺、肺、肝臓、皮膚、及び胎児の組織において、本抗体を用いることによって、アポトーシス細胞を検出することが出来た。目下、種々の腫瘍細胞の癌化過程におけるアポトーシスの出現頻度を測定することにより、癌化や癌化後の増殖とアポトーシスがいかに関係しているかを検討している。
|