研究課題/領域番号 |
08557018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
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研究分担者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / bcl-6 / 染色体転座 / mRNA / キメラ遺伝子 |
研究概要 |
瀰漫性大細胞型悪性リンパ腫にはしばしば、染色体3q27に局在する転写関連遺伝子bcl-6遺伝子がいずれかの相方遺伝子と相互転座が見られ、またこの転座が腫瘍化の原因になっている可能性があることが主張されてきた。今回われわれは、自験した悪性リンパ腫症例を研究素材として、染色体転座を示す遺伝士bcl-6についてそれが転座することによって生じるキメラmRNAおよびその産物の機能を検索した。100症例のB細胞性リンパ腫を検索したところ、17例にbcl-6遺伝子の転座が認められたので、その部位のDNA塩基配列を検索したところ、約半数においてはその相方が免疫グロブリン重鎖遺伝子であり、これとのキメラがつくられていたことが判明した。一方残り半数においては重鎖遺伝子以外の遺伝子が相方であった。これらの相方のなかには、transferrin受容体、CIITA,pimおよび新規遺伝子などが含まれていた。これら相方をもつ症例において、2組生じるキメラのうちbcl-6遺伝子の第一エクソンおよびその上流と相方遺伝子の3'側を含む遺伝子は相方遺伝子のすべてないし一部が発現していることが判明した。これらの遺伝子の発現は、正常な転写制御を失った形での発現であるので、この産物が腫瘍細胞の異常な代謝の原因の一部をなしていることが想定される。さらにここでキメラの相方遺伝子として同定されたものの多くは細胞の基本的機能に関係する活性の高い遺伝子であったことから、この異常が細胞の腫瘍化になんらかの関係をもつことも想定された。
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