研究課題/領域番号 |
08557021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
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研究分担者 |
吉田 勝 日本原子力研究所, 高崎研究所, 主任研究員
米澤 信行 群馬大学, 工学部, 助教授 (10167033)
片貝 良一 群馬大学, 工学部, 教授 (10008500)
佐藤 久美子 群馬大学, 医学部, 教授 (80008268)
狩野 繁之 群馬大学, 医学部, 助教授 (60233912)
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キーワード | マラリア / 合成抗原 / ポリペプチド / 診断 / 免疫 |
研究概要 |
本年度申請研究では下記の異なる2抗原に関する機能と構造の研究を行った。 1.スポロゾイトの表面抗原について スポロゾイト表面抗原の繰り返し配列部分の最小単位NANPを含むmethacryloyl-arginyl-adenyl-arginyl-prolinemethylestelを合成し、このメタクリロイル基の部分を開いてポリマーを作成した。これに放射線処理を行い球状構造を取らせ、即ち表面にNANPが無数に露出された構造の微小球(直径1μm)を作成し、ヒト血清との反応性を考察した。その結果、流行地でハマダラカに刺されスポロゾイトの侵入をうけた日本人の血清は、この微小球表面抗原との反応性を示した。我々はさらにNANP微小球ポリマーの抗原活性を高めるために、Boc-Gly-Ile-Gly-Asn-Pro-Asn-Ala-Gly-Ile-Gly-OEtの合成を行い結晶構造を得た。現在この立体構造と抗原活性との関係を追求中である。 2.熱帯熱マラリア原虫47kD分子抗原について 本抗原は熱帯熱マラリア感染初期の血清と特異的に反応することが、マレーシアから採取された血清群、フィリピンのパラワン島で採取された血清群を用いてさらに確認された。本抗原をSDSで電気泳動し、メンブランに転写した後切り出して、そこから抽出した蛋白をペプチダーゼ処理した後再度逆層カラムを通してメンブランに経時的にブロットし、膜上の断片化された蛋白の構造をペプチドシークエンサーで決定した。その結果本蛋白分子はマラリア原虫に特異的な解糖系の1酵素であることが明らかとなった。現在その蛋白分子の立体構造を明らかとし、分子の活性部位を決定する研究を遂行中である。 上記2項目の成果を合わせ、継続年数においては47kD分子の活性をもった微小球抗原の作成に臨みたい。
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