研究課題/領域番号 |
08557021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
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研究分担者 |
片貝 良一 群馬大学, 工学部, 教授 (10008500)
佐藤 久美子 群馬大学, 医学部, 教授 (80008268)
狩野 繁之 国立国際医療センター研究所, 適性技術開発・移転研究部, 部長 (60233912)
吉田 勝 日本原子力研究所, 高崎研究所, 主任研究員
奥 浩之 群馬大学, 工学部, 助手 (20301749)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | マラリア / 合成抗原 / ポリペプチド / 免疫診断 / エノラーゼ / enolase |
研究概要 |
本研究では、マラリア診断用人工抗原の合成を目的として、(NANP)nの構造特性からそのターン構造に注目し、そのターンを巧みに構築させるようなペプチドBoc・GIGNPNAGIG・Oet、及びcyclo[(NPNAGAG)2]の合成を行った。また、免疫学的測定法によってその抗原性も検討し、各分光法によって確認されたところのターン構造が、高い抗原活性を呈しているものと考えられた。以上によって、本抗原は個人的診断においては、蚊による吸血で熱帯熱マラリア原虫の感染を近い過去に受けたか否かの診断が可能となる。また疫学的には、その集団の本抗原に対する平均抗体価の高低によって、ベクターであるハマダラカの密度の推定や、ヒトのマラリアヘの感受性にまで言及がおよぶ可能性がある。 マラリア原虫の赤内型ステージの原虫が産生するエノラーゼ分子のペプチド合成に関わる研究は、部分ペプチドの抗原性を確認する作業によって、その分子の有用性がクローズアップされた。即ち、ヘリックスを構築するGFAPNILNANEALDLLは、その血清との反応性において、全エノラーゼ分子のSDS-PAGEで泳動された抗原ポリペプチドと同じ傾向の活性を有していることが判明した。重症かつ臨床的に早期の段階の患者血清に強く反応する抗原として、そのマーカーとして用いることができるのみならず、地域の疫学的指標を得るための抗原として用いれば、確実にその流行地に起きた最近の突発性流行をとらえることができる。 上記それぞれの抗原ペプチド構造は、全くの新規の構造であって、蛋白工学的にもその有用性が高い。本ペプチドの抗原としての需要が高まれば、商品化された診断用標準キットヘの応用が可能となるであろう。
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