研究課題/領域番号 |
08557028
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小泉 昭夫 秋田大学, 医学部, 教授 (50124574)
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研究分担者 |
中明 賢二 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (90072652)
竹内 康浩 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90022805)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
佐藤 彰夫 山梨医科大学, 教授 (40020747)
櫻井 治彦 秋田大学, 労働省・産業医学総合研究所, 所長(研究職) (70051357)
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キーワード | 許容濃度 / 有害性予測 / 危険性予測 / エキスパートシステム / 代謝過程 |
研究概要 |
昨年度に引き続き今年度は、既存の規制対象物質に関する毒性等のデータベースに加え、生体内における代表的工業化学物質およびその各代謝産物名のデーターベースをも参照するエキスパートシステムにより、新規化合物の毒性を予測する方法を試みた。 現時点で、化学品安全管理機関(ACGIH,GFD,NIOSH,IARC、日本産業衛生学会など)に登録されている1749種の化合物に関して、各化合物のIUPAC Name,物性、危険性、毒性、環境影響、用途、国内年間生産量又は使用量などの関連情報などの項目を含んだデータベースを構築しているが、さらに約500種の主な薬物、工業化学物質についてそれぞれの生体内代謝経路と代謝産物をIUPAC Nameによるデータベースをこれまでに構築した。新規化合物の有害性を予測するため、新規化合物の類似物質をこれら二種類のデータベースから一定のルール(IUPAC Nameによる方法)に従い抽出した。 1749種の化合物の毒性データベースに類似物質がある場合は、その中の毒性情報を参照すると共に、代謝に関する情報で毒性予測を補強した。毒性データベースに類似物質が無い場合は、代謝経路及び代謝産物を代謝データベースの類似物質から予測し、次いで代謝産物の毒性を毒性データベースから類推し、あるいは代謝による毒性の活性化、減弱化の知識に当てはめることにより、母物質の毒性を予測した。 新規化合物の代謝の予測は、類似物質の代謝産物のIUPAC Nameの読替えによって行ったり、ある程度法則的な代謝についてはIUPAC Nameの語尾変化等によって類推することとした。 その結果、毒性データベースから抽出される類似化合物のデータを利用する毒性予測エキスパートシステムに比較して、今回の代謝データベースをも参照するエキスパートシステムは、予測可能性や精度が高かった。
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