研究課題/領域番号 |
08557033
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
清水 英佑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056879)
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研究分担者 |
松村 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30199749)
鈴木 勇司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30163017)
蓮村 哲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30189518)
永森 静志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60119831)
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キーワード | 環境汚染物質 / 変異原性 / ヒト由来肝細胞 / ラジアルフロー / バイオリアクター / 薬物代謝 / 実験動物 / 細胞障害 |
研究概要 |
環境汚染物質や薬剤等の化学物質の毒性や発癌性、それらの生体内での代謝経路の検定は実験動物を用いて行なわれてきた。ヒトと実験動物では代謝経路に差があり、動物実験のヒトへの適応には慎重さが必要である。また動物愛護の見地からも動物実験はひかえ、これに代わる研究手段の開発が求められている。この分野における培養細胞の応用は多方面より期待されている。 申請者らが樹立したヒト由来肝細胞を、ガラス坦体(シラン)を用いたラジアルフロー型バイオリアクター(RAD)で培養すると、200ml容量のRADで総細胞数は2.88x10^<10>個と高密度培養が可能であった。このRAD(ヒト肝の1/6容)でアルブミン産生量15g/dayと正常ヒト肝臓と同等の産生能を示した。 当プロジェクト開始時の200mlのRADを本研究用に小型化し、50ml、30ml、5ml仕様を作製した。50mlRADでは下記の成果を上げている。さらに5個のRADを並列培養する装置をエイブル(株)で作製中である。 薬物代謝のモデル実験としてナファモスタットメシレートとアンチピリンを培養液に添加し、そのRADによる代謝能を測定した。さらにリドカインについても検討中である。細胞膜障害の指標としては細胞膜中のアラキドン酸が酸化刺激により非酵素的に生じる8-epiPGF2αをGC-MSで測定した。酸素欠乏状態のRADで8-epi-PGF2αが増加し、細胞障害の検討に使用できると考えられる。 以上のように基本的なRADの機能の確認と効率のよいシステム作製のための改良はほぼ終了している。今後はRADを用いて、さらに種々の化学物質の代謝、変異原性、細胞障害について検討を加えていく。
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