研究概要 |
ミニサテライトのD4S43の有効性について検討した。PCR増幅フラグメントをEB染色した場合,アリル1が日本人集団では60%以上の頻度を示した。一方,蛍光標識プライマーを用いて得られたフラグメントをシークエンスゲルで泳動し,自動解析ソフトで型判定を試みたところアリル1は3つの型に分離され,その他のアリルも1〜2塩基の差を示すアリルに分離された。更に親子鑑定例でD4S43の型判定を試みたところ,EB染色では否定されなかった例が蛍光プライマーを用いた自動分析法では完全に否定された。一方,STRシステムの一つにACTBP2があり,これは30以上のアリル数と0.9以上の排除率を示すものである。まずアリルの正確な塩基配列を知るために代表的なアリルをすべてシーケンサで分析した。親子鑑定例では否定されない場合極めて高い父権肯定確率が得られた。ACTBP2は高頻度多型システムであるためmutationの存在にも考慮しなければならない。他の血液型,DNA型で矛盾しない血縁者問で4塩基の欠落を示すmutationの例を得た。
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