研究課題/領域番号 |
08557037
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
上阪 等 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00251554)
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研究分担者 |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30157622)
笹野 稔 参天製薬(株), 開発研究本部, 主任研究員
寺田 典生 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30251531)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 慢性関節リウマチ / サイクリン依存性キナーゼ / 遺伝子療法 / p16 / アデノウイルス |
研究概要 |
慢性関節リウマチの罹患関節は、リンパ球を中心とする炎症精細胞の浸潤と滑膜の増殖が特徴である。滑膜の増生によりもたらされる不可逆的な骨、軟骨の破壊は関節機能を荒廃させて患者を苦しめる。現在の治療法は研究段階にあるものも含めて、主に滑膜におけるサイトカインやT細胞の免疫異常の是正を目的としているが、直接滑膜細胞の増殖を阻害するものではなく、しばしば関節破壊を阻止するのには不十分なことがある。我々は、滑膜の細胞増殖を直接抑制すれば、最も効果的な治療法になるのではないかと考えた。これを明らかにする目的で、まずRA滑膜細胞におけるサイクリン依存性キナーゼインヒビター(CDKI)の発現を検討した。その結果、増殖している滑膜組織におけるCDKI群の発現には異常を認めないものの、かえって滑膜より得られた培養滑膜線維芽細胞が、放射線照射、高密度培養、低血清培地などの様々な増殖抑制により容易にp16_<INK4a>を発現することが明らかにされた。この現象は、皮膚由来の線維芽細胞や骨関節症由来の線維芽細胞では認められなかった。そこで、このp16_<INK4a>遺伝子をアデノウィルスベクターに組み込んで、慢性関節リウマチ動物モデルの一つアジュバント関節炎の遺伝子治療を行ったところ、治療は病態を顕著に改善した。これらの結果は、p16_<INK4a>の誘導がRAの新しい効果的治療法としての可能性があることを示唆するものである。
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