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1996 年度 実績報告書

潰瘍性大腸炎に対する酢酸セルロースビーズカラムによる顆粒球・単球除去療法

研究課題

研究課題/領域番号 08557039
応募区分試験
研究機関新潟大学

研究代表者

朝倉 均  新潟大学, 医学部, 教授 (20051451)

研究分担者 柏木 伸仁  日本抗体研究所, 研究部長
佐藤 貞之  新潟大学, 医学部附属病院, 医員
松澤 純  新潟大学, 医学部附属病院, 医員
本間 照  新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (90272814)
杉村 一仁  新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (80270940)
キーワード潰瘍性大腸炎 / 酢酸セルロースビーズ / 顆粒球・単球除去療法 / サイトカイン / 内皮細胞
研究概要

酢酸セルロース(G-1)ビーズによる炎症性腸疾患末梢血白血球のサイトカイン産生能と血管内皮反応性性をex vivoの実験系を用いて測定しその抗炎症作用機序につき検討した。
【対象と方法】正常(NC)20例、潰瘍性大腸炎(UC)14例・Crohn病(CD)4例の末梢血を採取し、比重遠心法にて白血球分画を、さらにEロゼット沈降法にて非T細胞分画を分離しこれをcell disk上に固定した臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)と反応させ、産生されるIL-1β,TNFα,IL-8を測定した。一方ビーズ(G-1)を充填したシリンジに末梢血を混合し1時間回転孵卵した後ビーズを回収し顆粒球・単球の結合率を測定した。その後ビーズを18時間培養液中で培養し産生される炎症性サイトカインを測定した。【結果】末梢血より分離された非T細胞培養液中でのIL-1β・TNFα産生量はNC群UC群ともに少なく両者間で差を認めなかったが、HUVECと反応させた場合NC群に比しUC群で有意に高く(NC:IL-1/678【.+-。】534pg・TNF/38.3【.+-。】28.8、UC:IL-1/1345【.+-。】455・TNF/670.8【.+-。】327.2)、これは疾患活動性とは関係しなかった。IL-8はHUVEC反応系に関してNC・UC群間に差は認めなかった。ビーズ(G-1)への顆粒球・単球の吸着率はNC群でやや高かった(NC:44.1【.+-。】6.5%,IBD:33.8【.+-。】12.1%)が、吸着された細胞からのサイトカイン産生量はUC群で有意に高く(NC:IL-1/304【.+-。】652・TNF/54.4【.+-。】68.7、UC:IL-1/1495【.+-。】856・TNF/997.4【.+-。】602.5)、またこの産生量は吸着された細胞数と有意の相関が認められた。【結語】IBDの末梢血中にはプライミングされた顆粒球・単球が多数存在しており活性化された血管内皮と反応し血管内皮障害を通じて炎症の進展・拡大に関与していることが示唆された。したがって末梢血白血球除去はこれらの細胞を除去することにより炎症を改善する治療法の一つとなる可能性があり、次年度にこの機序をさらに解明する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 杉村一仁,柏木伸二,他: "消化器病up to date,consensus & controversies,1996" 永井書店, 127-130 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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