研究課題/領域番号 |
08557046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
新井 昌史 群馬大学, 医学部・附属病院, 助手 (60270857)
中村 哲也 群馬大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272238)
長谷川 昭 群馬大学, 医学部, 助手 (80156306)
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キーワード | 動脈硬化 / 再狭窄 / 平滑筋 / 冠動脈 / 血管内照射 / 形質変換 |
研究概要 |
血管再狭窄の防止を目的として血管内放射線療法と遺伝子・薬物療法の開発を試みた。ウサギ頚動脈のバルーンカテーテルによる傷部位に192Ir針(300μCi)により血管内腔より照射を行い、血管の反応性について組織学的に検討した。その結果、内皮細胞の剥離、内弾性板の断裂、中膜平滑筋細胞の脱落を認めた。照射群では術直後より内弾性板直下に細胞浸潤を認めた。またβ線を発生するステンレス性ステントを作成するための基礎実験を行ったところ、133Xeイオンを40keVでステンレス中に注入することが可能であることが判明した。 さらに最近同定した老化抑制遺伝子の構造と老化マウスの表現型を解析した。老化マウスは生後約4週で成長が停止し、寿命は3ヶ月弱である。また動脈硬化・弁輪石灰化など多臓器にわたる老化現象が認められた。このマウスのヘテロ個体ではノルエピネフリンに対する収縮反応の亢進と、アセチルコリンによる弛緩反応が有意に低下していた。本マウスで異常を来した遺伝子は一種の老化抑制機能をもち、血管内皮細胞に作用してNO産生を高めるものと考えられた。 同時に胎児平滑筋型ミオシンであるSMemb遺伝子に結合して転写活性を亢進する転写因子BTEB2の機能を解析した。SMemb遺伝子プロモーターに結合するBTEB2は同遺伝子の転写を約6倍に亢進した。またBTEB2と同一の転写因子群(Kruppel family)に属するLKLFもSMemb遺伝子プロモーター活性を約10倍に亢進した。以上からKruppel family遺伝子は平滑筋の形質変換に基本的な役割を担っていると考えられた。
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