研究課題/領域番号 |
08557046
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
新井 昌史 , 助手 (60270857)
中村 哲也 , 講師 (10272238)
長谷川 昭 , 講師 (80156306)
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キーワード | 133Xe / イオン注入 / ステント / 内膜肥厚 / 再狭窄 |
研究概要 |
1: 平滑筋増殖抑制効果のある新しいタイプの放射性ステントの開発 オンライン質量分離装置で133Xeを40keVのエネルギーで円筒状のステンレス製ステントにイオン注入を行うことが可能となった。さらに、回転しながら上下運動が可能な回転照射台を作成し、ステントの広い範囲に均等に放射活性(2-3μCi)をもたせることが可能になった。この放射活性ステントGe半導体検出器による放射活性は最大100kBq程度であり、イメージングスキャナー(Ambis100)による3時限空間分布は偏在はあるものの比較的均質であった。 2: 動物実験による133X注入ステントによる再狭窄防止効果の検討 家兎(3-3.5kg)の腹部大動脈にステント(拡張時径3mm)を30日間留置し、放射活性ステントが内膜肥厚を抑制するか否か検討した。133Xe注入ステント(2-3μCi)は放射活性のないステントに比較して明らかに内膜肥厚を抑制した。 3 平滑筋増殖抑制の薬物・遺伝子治療 血管平滑筋の形質変換にともなって発現する非筋型ミオシン重鎖(SMemb)遺伝子の転写を活性化する転写因子BTEB2とホメオ蛋白Hexを単離同定した。BTEB2遺伝子はミオシンだけではなく、組織因子やiNOS遺伝子のプロモータも活性化することより、広く形質変換全体を制御する転写因子と考えられる。抗酸化剤であるプロブコールは平滑筋の増殖を抑制すると共に、平滑筋やマクロファージにおけるBTEB2の発現を抑制した。現在、BTEB2による組織因子遺伝子の活性化をレポータ系として、平滑筋形質変換抑制薬をスクリーニングしている。
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