研究課題/領域番号 |
08557047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 隆 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50202958)
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研究分担者 |
加藤 裕久 ヤマサ, 研究開発部生物研究室, 研究員
鈴木 亨 東京大学, 医学部, 医員
塩島 一朗 東京大学, 医学部, 助手
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キーワード | Csx / ホメオボックス / マウス / Zf11 / 心臓 / two-hybrid system |
研究概要 |
Csx(Cardiac-specific homeobox)は心筋特異的ホメオボックス遺伝子である。そのknockout mouseは心臓の発生異常によりembryonic lethalであり、Csxは心臓の発生・分化に必須であることが明らかになっている。しかし、Csxが心臓の発生時にどのような機能を果たしているかは明らかでない。今回、我々はCsx/Nkx2.5と会合する新たな転写因子をクローニングするため、ヒトCSX遺伝子cDNA全長を用い、two-hybrid systemにてマウス胎生17日のcDNA libraryをスクリーニングした。20個得られたクローンのうち1個はC2H2型のzinc fingerを11個と核移行シグナルを持ち、転写因子と考えられ、新規の蛋白であり、Zf11と名付けた。two-hybrid systemではCsxのN-末端とhomeo domainが会合に必要と考えられ、pull down assayではZf11のzinc finger domainが会合に重要であることが判明した。Northern blot解析では、マウス胎仔において、脳、心臓に発現されており、他に腎臓、肺、肝臓にも弱いながらも発現が認められた。成熟マウスでは、脳と心臓に発現が認められた。マウスのES細胞を使った心臓の分化モデルにおいては、分化前および分化誘導後3日では発現がなく、6日目以降より発現が認められた。8日目よりミオシン等の収縮蛋白の発現が認められ、自発収縮が始まることより、Zf11はこれらの心筋特異的な収縮蛋白などの発現に関与している可能性が考えられた。Whole mount in situ hybridizationにおいて、Zf11は心臓の形成されるマウス胎仔8日目頃より心臓の原基において発現が認められた。CsxはANP promoterを活性化するが、COS、Hela細胞においてZf11は容量依存的にその活性化を抑制した。
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