研究概要 |
本研究室においてホスホランバンが発見されて以来,分子生物学的手法により,そのアミノ酸配列及びCa^<2+>ポンプとの相互作用が我々を中心にして解明されてきた.今回,我々は生体内でのホスホランバンの機能解明のため,ホスホランバン欠損トランスジェニックマウスの作製とその心機能の指標として超音波断層装置を導入したシステムの構築を目指した予備的実験を行った。ホスホランバンは心筋細胞特異的に発現するが,骨格筋には発現がない。マウスジェノミックDNAライブラリーよりホスホランバンのジェノミックDNAのクローニングを完了し,その遺伝子発現の調節部位の同定を行った。ホスホランバンジーンの上流解析により,転写開始点より-300bp以内に存在する複数のエレメントの相互作用によるものと判明した。さらに,そのDNAエレメントに結合し発現調節に関与する転写因子の同定を行った。今後,この部位を含むDNA領域を用いてホスホランバン欠損トランスジェニック作製用のターゲティングベクターの作製によりかかる予定である。
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