研究概要 |
本年度は、患者表皮培養細胞からVII型コラーゲンあるいはlaminin 5に対するmRNAを抽出し,Northern blot法により定量し,VII型コラーゲン,laminin 5遺伝子の転写レベルを測定した。また、個々の劣性栄養障害型,ならびにHerlitz型表皮水疱症患者ならびに両親から採血した試料より,DNAを抽出し、個々の症例について、VII型コラーゲン,あるいはlaminin 5における遺伝子変異部位をDNAレベルで確認した。さらに、PCRにて増幅した各DNA部分をHeteroduplex法により解析し,予想されるDNA変異がどのエクソン部分に存在するのかを推定した。最終的にautomatic sequencerを用いてHeteroduplexを示しているすべてのエクソン部分のダイレクトシークエンスを行い、具体的な変異塩基を同定し、さらに制限酵素切断部位の多形あるいはallele-specific oligonucleotide hybridization法により最終的に遺伝子変異部位を確認同定した。さらに、複数の患者、ならびにその家族における結果を判断し、劣性栄養障害型ならびにHeritz型表皮水疱症の日本人患者のホットスポットを明らかにし,実践的に有用なPCRプライマーを設定した。現在、さらに総合的に判断して日本人患者の遺伝子診断に実践的に有効なheteroduplex法,allele-specific oligonucleotide hybridization法を確立させる方法を模索中である。
|