研究課題/領域番号 |
08557059
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30250260)
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研究分担者 |
宮本 積 日本たばこ産業株式会社, 医薬総合研究所生物研究所, 副所長
西村 和修 京都大学, 医学研究科, 講師 (70252450)
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
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キーワード | 大網 / 血管内皮細胞 / 血管新生 / 内皮細胞遊走活性 |
研究概要 |
我々は、脂肪組織である大網から新規血管新生因子の精製を試みた。脂肪組織は血管の豊富な組織で、その血管新生作用が以前から注目されており、中でも外科的に利用しやすい大網が、脳外科、胸部外科、心臓血管外科領域で主として自家移植という方法で臨床応用されてきた。以前から大網組織に存在する血管新生活性の本体を精製しようとする試みはなされているが、最終精製に至っておらず、活性本体の親水性や疎水性等の化学的性質すらも定説がない。 我々は、血管内皮細胞の遊走活性を指標に、ブタ大網から新規血管新生因子を精製することとした。本年度は、最終精製に成功したが精製品の量が少なく構造決定には至らなかった。 ブタ大網10Kgに5倍量の中性バッファーを加えホモゲナイズ後週出物を遠心分離をその上清を限外濾過し分子量1000以上の画分を得た。この画分に65%アセトニトロルを加え遠心分離により徐蛋白後上清を濃縮しクロロホルム、メチルエチルケトンにて順次液-液分配した。活性はメチルエチル画分に回収させた。その後この画分をシリカゲル順相カラムに供しクロロホルム-メタノール系で展開し、その後活性画分を分取用の薄層クロマトグラフィーで展開した。PhosphatidylserineとPhosphatidylethanolamineを除いた活性画分を逆相液体クロマトグラフィーに供し最終精製した。この精製品は薄層クロマトグラフィーでは、Phosphatidylserine、Phosphatidylethanolamine,Phoshatidic acid,Cerebrosideとは異なるRf値を示し、ニンヒドリンに陰性であり、既知の因子で該当するものは認められない。 質量解析、NMRで解析可能な量が精製されなかったため、更に抽出法も含めて更に検討が必要である。来年度は、更に大量の材料より出発し構造決定に至りたいと考えている。
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