研究課題/領域番号 |
08557067
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河原 剛一 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20125397)
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研究分担者 |
青木 藩 札幌医学大学, 医学部, 教授 (50001871)
山内 芳子 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50230313)
中村 孝夫 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00142654)
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キーワード | 乳幼児突然死 / 睡眠時無呼吸 / 新生ラット / 二酸化炭素感受性 / 脳幹・脊髄標本 |
研究概要 |
我々はこれまでネコを用いた実験的研究によって、睡眠時において呼吸不全に起因する乳幼児突然死(SIDS)に関して、以下のような知見およびそれに基づく仮説を得てきた。 (1)吻側橋のコリン受容性ニューロンに起源を有し、呼吸筋を含むほとんどの骨格筋を強く抑制する下行抑制系が存在する。その抑制系の電気刺激に基づいた賦活によって、ほとんど全ての骨格筋活動が抑制が持続するにもかかわらず、呼吸活動だけはいったんは強く抑制されるものの、刺激中にも回復する。 )その抑制系は睡眠時、とくにREM睡眠時に活動を昴進すると考えられ、それ故睡眠時に呼吸筋の強い抑制が生じている可能性が高い。それにもかかわらず呼吸活動が回復するのは、apneaの結果として動脈血CO2分圧が上昇し、それを延髄腹側の中枢性CO2受容機構が検出し、抑制に拮抗する呼吸ドライブが生じるためと推定される。 本年度は以上の仮説の実証を目指し、先ずReduced Preparationである新生ラットの脳幹・脊髄標本を作製し、さらにその標本の呼吸リズムに関する基本的性質を明らかにした。その成果は次のように纏められる。 (1)Wistar系ラット、生後日齢1〜7をセロハン麻酔し、人工脳脊髄液中で頸随尾側端で脊髄を横切断した。吻側部の切断は、第12脳神経基部での横切断と橋を残した横切断との2つの切断を行った。左右の脳神経および前・後根を全て切断し、標本を摘出した。 (2)標本を灌流槽へ移し、吸引電極を用いて第5頸随前根断端を吸引し、生体交流アンプによって呼吸性パースト発射を導出・記録した。 (3)呼吸性バースト間隔のゆらぎは、生後日齢に伴って減少する傾向が認められた。このことは呼吸CPG活動が生後日齢と伴に安定となることを示しており、生後間もない時期における呼吸不全発症およびそれに起因した突然死の蓋然性を示唆していると考えられた。
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