研究概要 |
糖転移酵素α23ST(ST3GalIII)およびα12FTを発現するブタ血管内皮細胞の作成を試みた。遺伝子導入は発現ベクターpCAGGS(β-actin promoter)にc-DNAを挿入し、リピッド法によりブタ血管内皮細胞に導入した. (1)抗原性の解析としてヒト正常血清(NHS)の細胞表面との反応性をFACSで解析した.タンパク糖鎖の変化は(2)ウエスタン及びレクチンブロット法にて解析した.(細胞より抽出した糖タンパク質3μgをSDS-PAGEで電気泳動し,IB-4及びNHSを用いて解析した.)また,細胞傷害性は(3)LDHアッセイ(細胞を20%,40%NHSと反応させ%cytotoxicityを測定した)にて解析した. Transdfectantsは,ネオマイシンにより選択し,4つのα23ST高発現クローンを樹立した。同様にα1,2FT Transfectantsも2つの高発現クローンを樹立した. 抗原性ではα23ST transfectantsはparental SECに比しNHSで65-80%,IB-4レクチンで55-80%の抗原性の低下を示した.一方,α1,2FT TransfectantsはNHSで40-50%,IB-4レクチンで55-65%抗原性が低下した.ウエスタン及びレクチンブロット法では,α23ST,α1,2FT Transfectants両者ともに66KDa以下の糖タンパク質について,NHS,IB-4両者に対する反応性が著明に減少した.また,ブタ血管内皮に対する細胞傷害性では23ST Transfectantsでは,60〜80%,α1,2FT Transfectantsでは70% cytotoxicityを抑制した。
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