研究課題/領域番号 |
08557076
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小暮 公孝 群馬大学, 医学部, 講師 (80143220)
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研究分担者 |
神崎 展 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (10272262)
柴田 宏 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (20235584)
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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キーワード | 肝再生 / フォリスタチン / アクチビン / ペプチド合成 / 肝移植 |
研究概要 |
肝硬変を伴った肝癌に対し有効な肝再生促進法あれば広範な肝切除が可能になり根治手術の幅が広がる、また、生体肝移植においても小さな移植肝グラフトの再生を促進させることで手術の安全性を高めることが可能となる。我々はTGF-Bファミリーに属する肝細胞のオートクリン増殖抑制因子であるアクチビンの作用を特異的にブロックするアクチビン特異的結合蛋白のフォリスタチンを用いてラットの70%切除肝に対し著明な肝再生促進効果を認めているが、平成8年度はこのフォリスタチンの薬物としての臨床応用を展望して1)活性をもち安定で有効肝内濃度を持つフォリスタチンのアナログペプチドの開発、2)90%肝切除モデルを作成し合成ペプチドの有効性を検討する、の2点の研究計画を立てて実験を行なった。1)に関してはフォリスタチンの作用を発現すると考えられるアミノ酸配列4カ所(1.Heparin binding site,2.3.follistation odule,4.c-terminal)を選定してアナログを作成した。現在、その合成ペプチドの精度をHPLCを用いて検討中である。2)関しては術式、飼育条件などを検討した結果、絶食状態で手術を行なうこと、術後、絶食にして一期間グルコース投与をすることで安定し生存率の得られるラットの90%肝切除モデルを確立することが出来た。また、このモデルを用いてフォリスタチンの効果を検討したところ70%モデルに対するよりもより大きな増殖効果を得ることが出来た。現在、flow cytometryによる肝細胞の分裂周期の動態の検討も加えてフォリスタチンのアナログの増殖効果を検討している。以上、平成8年度の2点の研究目的に関してはほぼ、計画どおりの成果を得ることができた。
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