研究課題/領域番号 |
08557085
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸口田 淳也 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (40273502)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (50211371)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
佐々木 正夫 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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キーワード | 粘液型脂肪肉腫 / 染色体転座 / 融合遺伝子 / アンチセンス療法 |
研究概要 |
1.粘液型脂肪肉腫におけるCHOP-TLS転座のゲノム切断点の解析 CHOP-TLS転座を有する粘液型脂肪肉腫の中に、同一腫瘍から複数の融合遺伝子が検出される場合があり、alternative splicingの存在が考えられた。この機構を解析するために、Long-PCRを用いてゲノム切断点を塩基レベルで決定した。その結果、TLSの切断点はintron5及び7に存在しており、転座に伴い1〜2塩基から数百塩基の欠失あるいは起源不明の断片の挿入が生じていることが判明した。CHOP切断点に関しては、大部分がintron1であったが、1例でexon1より上流領域に存在していた。mRNAではexon1を含んでおらず、適切なspling signalがないため認識されなかったと考えられる。切断点の構造は、TLSと同様に複雑で、全例何らかの欠失あるいは挿入を伴っていた。これら切断点が同定された症例で、確かにalternative splicingが存在していることが確認された。それぞれのfusion trnscriptの癌化に対する寄与を形質転換実験で確認する必要性が考えられ、今後の大きな課題である。 2.培養細胞系の樹立 これまで3例の粘液型脂肪肉腫の培養系への移行に成功した。これらの細胞は培養系でもCHOP-TLSのfusion transcriptを発現しているが、いずれも増殖速度が低く、またヌードマウスでの造腫瘍性も認めなかった。これらの点はその後のAONの解析に不利であると考えられる。そこで、変則的であるが腫瘍細胞にSV40 largeT抗原を導入し形質転換した。導入細胞では元の細胞同様にCHOP-TLS fusion transcriptを発現しているが、増殖速度が亢進し、造腫瘍性も認められた。現在この細胞を対象として、AONの効果を検討している。
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