研究課題/領域番号 |
08557092
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10253527)
西田 純一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40264113)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
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キーワード | HPV / E6 / E7 / Cytoskeleton / Gene diagnosis / Antisence Oligo DNA / Growth suppression / Uterine cervical cancer |
研究概要 |
1.HPV16型により誘導される細胞形態変化:ラット繊維芽細胞においてHPV16型E7蛋白はSMα-アクチンの発現を抑制し、細胞の形態変化に関与する。SMα-アクチンの発現抑制は、E7がRb-MyoDの複合体によるSMα-アクチンの発現誘導を阻害するためであることを従来明らかにした。本研究ではAR1を介するSMα-アクチンの発現抑制の経路を明らかにした。Rb蛋白との結合能を有しない(24GlyE7)或いはc-jun蛋白との結合能を有しない(91GlyE7)変異型E7を作成し、SMα-アクチン発現への影響を解析した。24GlyE7はSMα-アクチン発現を抑制したが、91GlyE7は抑制しなかった。このためE7によるSMα-アクチンの発現調節にはAP-1が関与していることが判明した。変異型E7発現細胞におけるc-fos,c-jun及びMyoDの発現レベルに変化はなかったため、AP-1の質的変化がSMα-アクチンの発現調節に関与している事が示唆された。 2.p53によるG2期停止の分子機構:DOX等により細胞DNAの障害を誘導するとp53蛋白の蓄積及びG2期停止をもたらす(HPV16型E6はこのp53機能を不活化する)。G2期停止に伴い、p53依存性にサイクリンGの細胞内蓄積が観察された。サイクリンGの配列に相補的なアンチセンスオリゴDNAの存在下で、DOX処理はサイクリンG発現を阻害し、G2期停止も阻害した。以上からサイクリンGはp53依存性にG2期停止に機能することが示唆された。
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