研究課題/領域番号 |
08557095
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗栖 浩次郎 大阪大学, 歯学部, 教授 (50028346)
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研究分担者 |
佐藤 克彦 中外製薬(株), 研究者
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
加藤 穣慈 大阪大学, 歯学部, 助手 (90243245)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 顎顔面 / サブトラクションライブラリー / 遺伝子 / マウス / 形態形成 / 発生 / 組織分化 / cDNA |
研究概要 |
組織特異的に発現している遺伝子や、細胞分化の特定の時期に発現する遺伝子を探索する手段として、Subtraction法が用いられてきた。しかしながら、この方法はいずれも大量のmRNAを調製する必要があり、実体顕微鏡下で分離される動物胎仔の顎顔面の組織片のような微量組織を出発材料として実験するのは不可能であった。 本研究では、PCR法を応用して微量な組織材料からでも比較適簡便にSubtraction cDNAライブラリーを構築できるような技術の確立をめざした。軟骨分化誘導したラットRMD細胞の二本鎖cDNAとビオチン化した未分化RMD細胞二本鎖cDNAを混合して、変性、ハイブリダイズした後、ストレプトアビジンビーズに吸着するcDNAを除くことにより軟骨細胞特異的なSubtraction cDNAライブラリーを作成した。このライブラリーにおいて、軟骨細胞特異的なクローンの割合は約2割で、残りのクローンは、量的に差があるものの分化誘導したRMD細胞および未分化RMD細胞両方で発現が検出された。しかし、ライブラリー作成に必要な最低限のmRNA量は、30ngであり、これまでの技術に比べて圧倒的に少ない材料でライブラリーを作成できることがわかった。さらに、このライブラリーに含まれる遺伝子100クローンについて構造解析と発現パターンの解析を行ったところ、約8割のクローンは、細胞骨格関連あるいは、細胞外基質のもので、1割は、成長因子や、代謝酵素、転写調節因子であった。残りのクローンは、これまでに報告されていないものであった。また、得られたcDNAの平均的な長さは、約550baseで、殆どのクローンの70%以上の部分は3´側の非翻訳領域を含んでいた。これらの結果より、今回検討した、Subtraction cDNAライブラリー作成法は、微量の生体材料でも作成可能であるが、全長のクローンを得るためには、Subtraction cDNAをプローブにして、元の出発材料が由来するWhole embryoのライブラリーをスクリーニングするなどの工夫が必要であると考えられた。
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