研究課題/領域番号 |
08557097
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
江藤 一洋 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 教授 (30014161)
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研究分担者 |
今井 元 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 特別研究員
池田 正明 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助教授 (20193211)
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キーワード | 器官培養 / 哺乳類全胚培養 / 頭部神経堤細胞 / 鰓弓 / メッケル軟骨 / 蛍光色素 / 歯胚 / 長期器官培養 |
研究概要 |
本研究室では、ラット胚全胚培養と下顎器官培養を組み合わせることにより、哺乳類胚を材料として神経堤細胞の移動前から軟骨・歯胚・舌・洞毛などの組織分化までをin vitroで再現することが可能な長期培養系を開発している。 1)長期培養系の確立 A)哺乳類全胚培養系と下顎器官培養系を組み合わせることにより、頭部神経堤細胞の移動時期から歯胚・メッケル軟骨・舌などの形態形成・組織分化が起こる時期までをin vitroで再現できる長期培養系を確立した。B)哺乳類全胚培養系と上顎器官培養系を組み合わせ、頭部神経堤細胞の移動時期から歯胚・洞毛などの形態形成・組織分化が起こる時期までをin vitroで再現できる長期培養系を確立した。すなわち、頭部神経堤細胞の移動時期からラット胚の全胚培養を開始し、2日間の培養後、上顎もしくは下顎顔面原基を摘出して器官培養を6〜10日間行った結果、歯胚・メッケル軟骨・舌・洞毛などの形態形成・組織分化がin vitroで再現された。 2)歯胚の間葉細胞の由来 移動前の頭部神経堤細胞を蛍光生体色素で標識し、第一鰓弓の歯胚の予定形成域に到達する頭部神経堤細胞の移動開始時期と神経管上の位置を明らかにした。次に、その特定した時期及び位置の頭部神経堤細胞を標識して、1)で確立した系を用いて、哺乳類の歯胚間葉が中脳の神経堤細胞に由来することを明らかにした。 3)組織特異的な外来遺伝子の導入 頭顔面領域では、内胚葉、外胚葉、神経堤細胞、一次中胚葉など多く細胞が存在しているため、頭顔面領域におけるパターン形成を明らかにするためには、これらの由来のことなる組織間の相互作用を解明することが必要である。本年度は、アデノウイルスを用いて標識遺伝子を組織特異的に導入した後、長期間培養(全胚培養+上下顎器官培養)を行う系を確立した。この系を用いた組織特異的な遺伝子導入は、哺乳類頭部の形態形成を明らかにするには、極めて有効な手段と考えられる。
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