研究課題/領域番号 |
08557098
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
滝川 正春 岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
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研究分担者 |
牧島 房夫 ヘキストジャパン研究所, 代謝骨疾患部門, 主席研究員
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00144775)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助手 (30243463)
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キーワード | ニューロトロフィン / コンドロニューロトロフィン / 神経栄養因子 / trk / 骨 / 軟骨 / 結合組織増殖因子(CTGF) / HCS-2 / 8 |
研究概要 |
1)ニューロトロフィン-3は骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1の増殖を促進したが、分化および石灰化には特に影響を与えなかった。 2)ニューロトロフィン(NT)共通プライマーを用いてRT-PCRにより軟骨細胞、特に成長軟骨細胞にNTが発現していることを明らかにした。また、マウス骨細胞には多量のNGFmRNAが発現していた。 3)ヒト軟骨細胞様細胞株HCS-2/8の培養上清にPC12細胞の突起進長作用がみられたので、新規のオステロ(コンドロ)ニューロトロフィンの探索を目的として同細胞株および初代培養軟骨細胞、骨芽細胞等の間でNT共通プライマーを用いてdifferential display-PCRを行い軟骨特異的遺伝子断片を単離した。その内の一つが結合組織増殖因子(CTGF)をコードしており、その発現をRT-PCRおよびin situ hybridizationで調べたところ成長軟骨細胞に強く発現していたが、神経系細胞にも発現がみられた。したがって、CTGFはコンドロNT(CHNT)である可能性が強く示唆される。 4)上記のCHNTと目されるCTGFのcDNAから推定されるアミノ酸配列を基にペプチドを合成し抗体を調製してCTGFをHCS-2/8細胞の培養度上清より純度90%以上に精製できた。 5)上記抗体を用いて免疫染色でCTGFの組織局在を調べたところ神経、特に脊髄と三叉神経節に局在していた。 6)骨芽細胞にはNT-3の受容体であるtrkCが発現していることに加え、骨細胞にtrkAが発現していることをRT-PCRおよび免疫染色で明らかにした。 7)CTGFのアンチセンスオリゴマーが培養軟骨細胞の増殖を強く阻害し、分化をやや促進したことから、CTGFは軟骨細胞では増殖因子として機能することが示唆された。 8)CTGFの受容体以降細胞内情報伝達機構については全く未知で、わずかにPDGF受容体を共有することが示唆されていたが、部分精製したCTGFをHCS-2/8に添加すると既知のPDGF受容体情報伝達系以外の蛋白のリン酸化がみられた。
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