研究課題/領域番号 |
08557104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 高嗣 東北大学, 歯学部, 助教授 (10125560)
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研究分担者 |
仲島 一郎 東北大学, 歯学部・附属病院, 医員
庄司 憲明 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70250800)
栗和田 しづ子 東北大学, 歯学部, 助手 (60225274)
三條 大助 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
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キーワード | 歯髄診断 / 歯髄血流 / 透過レーザー光 / 歯髄血流診断器 |
研究概要 |
歯および口腔疾患を診断し、その処置を決定する場合、歯髄の生死診断は、最も基本的かつ重要なプロセスである。現在、日常の臨床で歯髄の生死診断として広く用いられている電気診や温度診は、患者に痛みを与え、痛みによって生じる歯髄のsensitivity(感受性)を主観的に評価するもので、vitality(活力)を客観的に診査するものではない。そこで本研究では、透過レーザー光を用い、歯髄血流を定量的に測定し、患者に痛みを与えない、より客観的な歯髄診断法の確立を目的とした。 今年度は先ず、血流の測定法として既に各領域で応用されているレーザードプラー血流計を基に、歯髄血流計としての要件を満たすように装置の改良を行った。すなわち、歯の唇側の表面からレーザー光を送光し、透過光を直線上の舌側歯面で受光し、血流を測定する透過型血流計を試作した。この装置を用いて前歯の血流測定に臨床応用した結果、(1)レーザードプラー血流計が歯髄以外の血流成分も拾うのに対し、透過型血流計は歯髄のみの血流を測定すること、(2)レーザードプラー血流計に比較して、透過型血流計の測定感度は約2倍で、血流の脈波成分および刺激に対する血流反応がより明確にモニターされた。 したがって、透過レーザー光を用いた歯髄血流測定法がほぼ確立された。今後は、最適なレーザー波長を見出し、プローブの形態を考慮することで、臼歯部の血流測定にも応用範囲を広げたいと考えている。
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