研究課題/領域番号 |
08557112
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
海野 雅浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90014125)
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研究分担者 |
深山 治久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20189921)
織田 暢夫 東京工業大学, 名誉教授
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 歯牙電気刺激 / 誘発脳波 / ランダム刺激 / 体性感覚誘発電位 |
研究概要 |
目的 強さの異なる複数の刺激をランダムに与えて刺激強度ごとにSEPを自動的に記録するシステムを開発した。ヒトを対象としてこのシステムが刺激強度に対応したSEP波形を記録できるか否かを検討した。 方法 SEP記録システムはSEP記録用装置、刺激装置、ランダム化定電流、SEP処理用コンピュータからなる。刺激装置から強さの異なる複数の刺激を発生させ、定電流アイソレータを介して最大8種類の刺激をランダムな順序で自動的に歯に与えることができる。事前に研究内容を説明し、了承の得られた健康成人被検者を対象とした。これらの被検者をランダム刺激の種類によって3群に分けた。I群は3種類の強度をもつランダム刺激群、II群は4種類の強度をもつランダム刺激群、III群は6種類の強度をもつランダム刺激群とした。上顎健全中切歯を電気刺激して、頭皮上CZからSEPを記録した。SEP記録に必要な加算平均は64回とした。 結果 1) 3および4種類の強度を持つランダム刺激では潜時150-250msecの後期遅成分が刺激の強度に対応した。 2) 3種類の強度をもつランダム刺激では潜時150-250msecの成分と痛みの強さとの関連性がうかがわれた。 3) 刺激強度と痛みの強さとの間に関連性が認められた。 4) 本システムが臨床に応用される可能性が高いことが示唆された。 結論 以上のように本システムは短時間で複数の刺激強度に対応したSEP波形を得ることができた。このシステムは鎮痛薬、麻酔薬などの薬剤の鎮痛効果や鎮痛の過程、痛みのメカニズム、痛みに対する心理的影響の解明に役立つと期待される。歯科臨床においては外傷性の三叉神経麻痺や神経疾患の診断にも応用可能である。
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