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1996 年度 実績報告書

顎顔面先天奇形動物形態形成の三次元解析

研究課題

研究課題/領域番号 08557118
応募区分試験
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

黒田 敬之  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939)

研究分担者 森山 啓司  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20262206)
馬場 祥行  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70251535)
鈴木 聖一  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
大山 紀美栄  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014216)
キーワード先天性奇形 / 小下顎 / メッケル軟骨
研究概要

平成8年度は、実施計画に基づきマウス母獣に催奇形物質を投与することにより、出生時小下顎を発現する動物モデルを作製し、頭部の連続切片を用いて胎生期における顎顔面頭蓋諸器官の形成および成長発育の過程について観察を行い、奇形発現の機構について考察を加えた。
妊娠10.5日のC57/BL系マウス母獣にアルキル化剤であるDimethyle phenyltriazeneを投与し妊娠11,12,13,15,18日にそれぞれ胎仔を摘出し、透明標本と頭部連続切片を作製して観察を行った。頭部前頭断連続切片の作製にあたっては、同時に包埋した毛髪を基準軸として矢状面方向への再構築を行い、顎顔面頭蓋諸器官の経時的な成長発育の様相を観察し形態異常の発現する機構について検討した。その結果(1)胎齢11日において、上下顎突起を構成する間葉細胞にアポトーシスによる細胞死が多数認められた。また、胎齢13日では、障害された細胞は一掃され、組織像は正常に戻っていたが、メッケル軟骨および鼻中隔軟骨に形成不全が認められた。(2)胎齢15日おいて、下顎では、前後径の短いメッケル軟骨に相応した小型の下顎骨の形成が認められた。これに対して、上顎においては鼻胞軟骨の形成が見られたが、鼻中隔軟骨やメッケル軟骨に比べて障害は軽度であった。
以上より、本実験系における小下顎の発現の機構として、催奇形物質投与によりメッケル軟骨と鼻中隔軟骨が形成障害を起こし、下顎においては下顎骨がこの短いメッケル軟骨に相応した大きさで形成されるのに対して、上顎においては、やや遅れて形成される鼻胞の軟骨が、上顎の成長発育を補い、結果として出生時において小下顎を発現するものと考えられた。また、頭部連続切片から3次元的な構築像を作製して観察する方法は、奇形発現の機構を検討する上で極めて有用な手法である事が示された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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