研究課題/領域番号 |
08557119
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 俊一 北海道大学, 薬学部, 教授 (80107391)
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研究分担者 |
北垣 伸治 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20281818)
中村 精一 北海道大学, 薬学部, 助手 (90261320)
渡辺 信英 北海道大学, 薬学部, 助手 (80220911)
中島 誠 北海道大学, 薬学部, 講師 (50207792)
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キーワード | グリコシル化反応 / 薬理活性物質 / 医薬品 / 糖 / 含リン脱離基 / 立体選択性 / 含糖抗生物質 / 薬物ターゲティング |
研究概要 |
本年度は、酸性あるいは塩基性条件に不安な薬理活性物質あるいは医薬品に糖を結合するグリコシル化反応の開発を目指した基礎研究を行った。その結果、3価のリンであるホスファイトを脱離基として組み込んだ糖供与体を基盤とするグリコシル化反応が、極めて高い立体選択性のみならず極めて緩和な反応条件の設定を可能にすることが分かった。以下に具体的成果を記す。 緩和な反応剤であるBF_3・OEt_2を用い-78℃下、2位の隣接基関与を伴わない系において文献上知られる最も高い立体選択性で1, 2-トランス-β-グリコシドを生成することを見いだした。さらに、2位の隣接基関与を伴わない系においてもTMSOTfを用い-50℃下、1,2-トランス-β-グリコシドのみを高収率で与えることが分かった。また、TMSOTfを用い-94℃下、抗がん性含糖抗生物質合成に不可欠な2-デオキ-β-グリコシドの直接的かつ立体選択的な構築を達成した。いずれの場合も反応が低温下迅速なため、酸に不安定なエポキシ、アセタール、シリルオキシ基を有するアルコールを用いた場合にも分解等の副反応は認められない。これは本法の大きな特徴である。現在1, 2-α-グリコシドの立体選択的構築を目指し検討中である。
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