研究課題/領域番号 |
08557122
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
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研究分担者 |
安田 公助 田辺製薬(株), 医薬育成研究所, 研究員
新藤 充 東京大学, 薬学部, 助手 (40226345)
小田嶋 和徳 東京大学, 薬学部, 助教授 (30152507)
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キーワード | リチウムエノラート / 不斉合成 / キラル塩基 / キラルリチウムアミド / アルキル化 / 脱プロトン化 / プロトン化 / マイケル反応 |
研究概要 |
エノラートイオンの合成と反応をエナンチオ選択的な不斉反応とし、さらには触媒的不斉反応とする新手法の開発は、現代有機合成化学の焦点の一つである。これまでに我々は、多配座型キラルリチウムアミドあるいは対応するキラルアミンを設計、合成し、キラルなリチウムエノラートの不斉合成(プロキラルなケトン類の不斉脱プロトン化)および不斉反応(プロキラルなリチウムエノラートのアルキル化、プロトン化、アルドール反応、マイケル反応、ダイツェン反応)に有効に用いうることを明らかにしてきた。これらの反応はすべて、エナンチオ選択的な反応であり、触媒的不斉合成反応への展開の可能性を秘めている。 エナンチオ選択的な不斉反応を不斉触媒化しうるためには、キラル補助剤を用いた反応が、これを用いないか、あるいはアキラルな補助剤を用いた場合の反応より、大きく加速されていることが必要である。種々検討の結果、上記の脱プロトン化反応およびアルキル化反応において、キラル補助剤として用いるキラルリチウムアミドあるいはキラルアミンの配位子としての配座数を変えることによって、反応速度を大きく変化させうるという新知見を見出した。 この新知見を基に、不斉脱プロトン化および不斉アルキル化反応を、用いるキラル補助剤について不斉触媒化できることを実証した。このことは、多配座型キラルリチウムアミドあるいはキラルアミンの設計が極めて重要であり、有効な不斉補助剤をうるための設計指針の理論的構築がこれからの課題であり、そのための検討を行っている。
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