研究課題/領域番号 |
08557127
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
野路 征昭 千葉大学, 薬学部, 助手 (80271534)
山崎 昌巳 千葉大学, 薬学部, 講師 (70222370)
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キーワード | 硫黄同化 / イオントランスポーター / クローニング |
研究概要 |
【目的】セリンアセチル転移酵素(SATase)はセリン生合成系からシステイン生合成系への重要な中間体であるO-アセチルセリンを合成する酵素である。最近、我々は高等植物のSATaseにはフィードバック阻害感受性SATaceと阻害感受性SATaseが存在し、この2つのタイプのSATaseは予想アミノ酸配列で約60%の高い同一性を示すことを明らかにした。本研究では、様々な変異SATase酵素分子を作製することにより、SATaseのシステインによるフィードバック阻害に関与する領域を同定し、さらに、遺伝子工学的手法によりSATase酵素分子をエンジニアリングすることでフィードバック阻害感受性の改変を試みた。 【方法・結果】フィードバック阻害感受性であるスイカSATaseのC末端側の19アミノ酸をフィードバック阻害非感受性であるシロイヌナズナSAT1のC末端と入れ換えたところフィードバック阻害非感受型に変化した。このことから、スイカSATaseのC末端領域が阻害に必須であると考えられる。そこでこの領域中で阻害に関与しているアミノ酸の同定を試みた。フィードバック阻害感受性SATaseでのみ保存されているアミノ酸を非感受性SATaseで保存されているアミノ酸に変異させた結果、この領域のHis残基をGln残基に変異させると阻害に対する感受性の低下がみられた。一方、非感受性であるSAT1のC末端側の19アミノ酸をスイカSATaseのC末端と入れ換えた酵素は非感受型であるが、さらにN末端側の178アミノ酸を入れ換えることでフィードバック阻害感受型に変化した。以上より、スイカSATaseのフィードバック阻害には少なくともC末端領域の19アミノ酸が重要であるが、N末端側にも阻害に関与する領域が存在すると考えられる。現在、N末端側でフィードバック阻害に関与している領域の同定を行っている。
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