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1997 年度 実績報告書

受容体結合能を指標にした新規リガンド探索法の開発と新しい神経栄養因子の単離

研究課題

研究課題/領域番号 08557130
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 信行  京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)

研究分担者 太田 光煕  国立宇多野病院, 臨床研究部, 研究員
藤本 正文  塩野義製薬, 創薬第二研究所, 主任研究員
尾崎 恵一  京都大学, 薬学研究科, 助手 (50252466)
キーワードインスリン / リガンド / 受容体 / 神経栄養因子
研究概要

Insulin receptor-related receptor(IRR)はインスリン受容体ファミリーに属する受容体である。IRRは腎臓,胃,脳などの限られた臓器のみに発現していることが明らかになっている。特に,脳内では,神経栄養因子,NGF,の受容体であるTrkA発現細胞にIRRが特異的に高発現している。従って,IRRのリガンドもNGFと同様に,神経栄養因子作用をもっている期待されるが,その実体は明らかにされていない。我々は,baculovirus発現系を用いて,昆虫細胞でIRRを発現させた。このIRR発現細胞を用いてリガンド探索法の確立を試みた。
ラット腎臓,膵臓,肝臓などの臓器の酸-エタノール抽出液をIRR発現細胞に投与して,IRRの細胞内ドメインのチロシン燐酸化を指標にして,リガンドの探索を試みた。腎臓,肝臓の酸-エタノール抽出液にはIRRのチロシン燐酸化活性は検出されなかった。しかし,膵臓の酸-エタノール抽出液には有意にチロシン燐酸化活性は検出された。従って,この膵臓の酸-エタノール抽出液に含まれるチロシン燐酸化促進因子の実体を明らかにするために,膵臓の酸-エタノール抽出液をゲルろ過により分画した。各画分について,そのチロシン燐酸化活性を測定したところ,分子量5,000程度の画分にチロシン燐酸化活性が検出された。この画分には,膵臓の主要なホルモンであるインスリンが含まれている可能性があるため,精製インスリンのIRRのチロシン燐酸化活性を測定した。しかし,精製インスリンにはIRRのチロシン燐酸化活性は検出されなかった。従って,膵臓の酸-エタノール抽出液にIRRの未知のリガンドが存在する可能性がある。現在,その実体の解明を進めつつある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ozaki ら: "Localization of insulin receptor-related receptor in the rat kidney" Kidney Int. 52. 694-698 (1997)

  • [文献書誌] Emoto ら: "Structure and expression of human fibroblast growth factor-10" J.Biol.Chem. 272. 23224-23227 (1997)

  • [文献書誌] Ohuchi ら: "The mesenchymal factor,FGFIC,intiates and maintains the outgrowth of the chicklimb bud through interaction with FGF-8" Development. 124. 2235-2244 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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