研究課題/領域番号 |
08557131
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花岡 文雄 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (50012670)
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研究分担者 |
掛谷 秀昭 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (00270596)
前川 隆文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90273721)
益谷 央豪 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | DNA複製 / DNA修復 / 無細胞系 / 阻害剤 / 抗がん剤 / サポニン / DNAヘリカーゼ / SV40 T抗原 |
研究概要 |
研究代表者および研究分担者は、DNA複製系および修復系をターゲットとした新規抗がん剤の開発を目指して、以下に述べる研究を行った。 1)既に確立しているSV40DNAの無細胞複製系(粗抽出液系)および紫外線照射したSV40ミニ染色体を鋳型とする無細胞DNA修復系を用いて、100種以上の放線菌および真菌の培養上清から阻害効果あるいは促進効果を持つものをスクリーニングした。その結果、有意な阻害効果を示すサンプルを複数個、得ることができた。 2)これまでに1)で述べたようにして分離し、精製した新規DNA複製阻害剤であるRK606が、大豆サポニンの一種、soyasaponin IIであることを既に明かにしている。このRK606について、精製蛋白質を用いたSV40DNAの無細胞複製系で調べたところ、やはり阻害が見られた。そこで個々の酵素活性の阻害を調べたところ、SV40ウイルスT抗原の有するDNAヘリカーゼ活性を特異的に阻害することが判明した。これまでにDNAヘリカーゼの阻害剤についての報告は全くなく、本研究が初めてである。 3)同じく無細胞DNA修復系で阻害効果の見られたRK679について、異なるpHでの安定性、ブタノール、酢酸エチルによる抽出度などを検討し、酸には比較的安定なこと、ブタノール抽出で有機溶媒層に回収されることを見出した。これらの性質は、同じ培養液から得られたチロシンキナーゼ阻害剤であるgenisteinやdaizeinの挙動と類似していたため、精製genisteinおよびdaizeinの無細胞DNA修復系に対する影響を調べた。その結果、これらのチロシンキナーゼ阻害剤は無細胞DNA修復系を阻害しなかった。したがってRK679に見られる修復阻害物質は、チロシンキナーゼ阻害剤とは別の化合物であることが示唆された。
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