研究課題/領域番号 |
08557137
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
亀井 洋子 (金沢 洋子) 九州大学, 薬学部, 助教授 (20037584)
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研究分担者 |
串田 克彦 バリアンジャパンリミテッド, 営業部, 主任研究員
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キーワード | 薬物代謝 / 無侵襲計測 / 多核NMR / 化学シフト画像 / ^<19>F NMR / 代謝物画像 / マウス / 5-FU |
研究概要 |
本課題では薬品開発における動物体内薬物動態追跡法としてのin vivo NMR画像を新規で有効な方法として提案するとともに、その普及発展に向けて汎用の高分解能NMR装置(縦型超伝導磁石)の活用・開発を行うことを目的とした。 主たる手法は化学シフト画像である。これは丸ごとの動物中の安定な通常の代謝物を生きたまま直接測定できる唯一の方法である。本年度は薬学で必要とされる低濃度代謝物の画像化に向けて高感度の小動物用「多核画像プローブ」を設置し、調整稼働させた。また、測定時間短縮の為に新たなパルス系列の使用を試みた。さらにコイル同調に際して位相情報を併用するという改善を加えることにより短時間測定の条件確立を図った。例として抗ガン剤である5-FUを用い、化学シフト画像によって経口投与後のマウス体内での薬物動態追跡を行った。ヒト用量の10倍の投与量ではあるが、投与物質、有効代謝物ならびに有害分解生成物の同時識別画像化に成功した。サーフェスコイルによる局所スペクトルと比較検討したところ、サーフェスコイルでは測定に要する時間は短いものの隣接する臓器からの信号を同時に観測するきらいがあるのに対し、画像では臓器単位での空間識別が可能であり、その有用性を示すことができた。これらの成果は汎用NMR装置の縦型磁石内でのマウス実験が容易に出来ることをも示したことになる。 成果の最新の部分は日本薬学会第117年会(1997年3月)および国際磁気共鳴医学会(1997年4月、Vancouver)において発表する予定である。
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