研究課題/領域番号 |
08557138
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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研究分担者 |
名畑 博之 中外製薬(株), 創薬研究所, 所長
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 教務員 (90241348)
川野 誠子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00177718)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
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キーワード | Ca拮抗薬 / 光アフィニティラベリング / 薬物結合部位 / 新規化合物 / ドラッグデザイン / 精密合成化学 / 薬理活性 |
研究概要 |
有効な循環器疾患治療薬として臨床で汎用されているCa拮抗薬は、現在においてもなお組織選択性、薬効持続性の点での改良が続けられており、第二、第三世代Ca拮抗薬が開発されるに至っている。我々はこれまでに、代表的な3つのCa拮抗薬の内の2つを、光アフィニティラベル法を中心とした生物有機化学的手法を駆使することにより明らかにした。本研究ではこの成果を活かし、生化学、精密合成化学、分子薬理学、電気生理学、コンピューター支援ドラッグデザイン、結晶構造解析学の専門家を組織することによって、組織選択性、薬効持続性とともに優れた、"第四世代"ともいうべき新規のCa拮抗薬を開発することを目的に研究を進めているが、本年度得られた知見を以下に要約する。 1.代表的なCa拮抗薬であるジルチアゼム型薬物1__-の、骨格筋Caチャンネル上での結合部位を、立体的に小さな反応基を用いた光アフィニタィラベル法で明らかにした。同定した部位はリピートIVの2箇所であり、欧米のグループが最近発表したリピートIIIとIVの2箇所であるとの結論は、立体的に嵩高い反応基を用いたための誤った結果が含まれることを指摘した。 2.平面化学構造上ではジルチアゼム型薬物に類似している点をもつが、従来のCa拮抗薬にはない薬理作用をもつ新規化合物の2__-の光ラベル用試薬を合成し、これを用いて骨格筋Caチャンネル上での結合部位を明らかにした。それは従来のCa拮抗薬結合部位と近接した部位ではあるが、明らかに異なっていた。 3.X線結晶解析で得られた1__-と2__-の立体構造は、重なり部分がほとんどないことが判明した。この結果に基づき、2__-をリ-ド化合物として新たな化合物群のデザインと合成を開始した。
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