平成7年度には研究計画により、マルチメディアデータベース用ファイルサーバーシステムを構築し、大容量の診療ならびに医学教育用動画像の蓄積用のデータベースとしてCD-ROM100枚連装式チェンジャーと接続し連携した。さらに学内にすでに整備されているATM-LAN環境とこのシステムのネットワーク化を行い、学内のネットワーク環境下でのシステム利用を可能とした。これを受けて平成8年度の研究計画では、診療ならびに医学教材用の動画像のアナログデータからデジタルデータへの変換をシステム化し、また医学教材としての内容を充実するために編集のためのソフトの充実を図り、ノンリニアデジタル編集システムとの連携を図った。また、医学教育用の動画像の表示・検索システムの構築を行い、WWW(World Wide Web)のWEBを利用したHTML(Hyper Text Markup Language)化による全文検索システムを完成させた。具体的には、パーキンソン病を例にマルチメディア医学電子教科書を作成し、症状の動画像を含むマルチメディア医療情報をデジタル化し、ネットワーク化でオン・デマンド(データ要求時に即時にデータを配送する方式)に利用できる環境を構築した。これらのシステム化により、すでに整備されている高速なネットワーク環境を活用するとともに、マルチメデイアである医療情報とくに動画像を含めた大容量の医療情報をオン・デマンドに、蓄積・検索・伝送できる統合化したマルチメディア医療情報システムを構築し、実用的に活用できることを実証した。
|