研究課題/領域番号 |
08557143
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
比佐 博彰 東北大学, 薬学部, 助教授 (60192712)
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研究分担者 |
草場 美津江 東北大学, 薬学部, 助手 (50175311)
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
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キーワード | 高血圧モデル動物 / カテコールアミン / レニン-アンジオテンシン系 / 尿生成 / nitric oxide |
研究概要 |
1.高血圧モデルラットにおけるレニン-アンジオテンシン系の変動 (1)目的 高血圧治療薬の効果と内因性血圧調節物質の変動との関係を解析するための基礎データを得ることを目的とし、Dahl食塩感受性(DS)・非感受性(DR)ラットにおけるレニン-アンジオテンシン系No系との関連を検討した。 (2)方法 DSおよびDRラットを、それぞれ高食塩・低食塩飼料群、NO合成酵素阻害薬L-NAME添加・非添加群に分け、計8群を無麻酔下に用いた。定期的に全身血圧および心拍数を測定した。8週令の時点で、尿中電解質・酸化窒素排泄量、およびアンジオテンシンI,IIの血漿濃度ならびに腎・大動脈組織含量をした。 (3)結果・結論 DSラットでは高食塩負荷により拡張期血圧が上昇した。低食塩飼料群においても、L-NAME添加群では高食塩飼料群と同程度まで血圧が上昇した。高食塩・低食塩飼料群共に、L-MANEの添加は血漿アンジオテンシン濃度を上昇させた。しかし、腎組織アンジオテンシン含量は高食塩負荷群でのみ増大が認められた。DRラットは高食塩飼料を与えても血圧は変化しなかったが、L-NAME添加群ではDSラットと同程度まで血圧が上昇した。尿量・尿中ナトリウム排泄量は高食塩負荷群で増大したが、DS・DRラット間およびL-NAME添加・非添加群間で差異は認められなかった。尿中酸化窒素排泄量はDS・DRラット間および高食塩・低食塩飼料群間で差は無く、L-NAME添加により減少した。以上の結果より、DSラットの高食塩負荷による血圧上昇時には、NOを介したレニン-アンジオテンシン系の抑制が生じていると考えられる。また、DSラットはDRラットに比べアンジオテンシンIIへの感受性が高まっているものと思われる。 2.今後の研究の展開 (1)高血圧発症過程での血圧調節物質の変動 マイクロダイアリシス法により腎組織液試料を経時的に採取し、各種モデル動物の高血圧発症過程におけるデータを得る。現在、マイクロダイアリシス装置のオートサンプラー-マイクロカラム-電気化学検出器を用いて、生理活性物質血漿濃度の測定を行なっている。両者の結果の相関を検討することで、血圧調製機能に関しより詳細なデータが得られると期待される。
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