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1997 年度 実績報告書

臨床薬物治療学における分光薬理学的解析法の確立と応用

研究課題

研究課題/領域番号 08557144
研究機関三重大学

研究代表者

田中 利男  三重大学, 医学部, 教授 (00135443)

研究分担者 林 正晃  三重大学, 医学部, 助手 (80291417)
伊奈田 宏康  三重大学, 医学部, 助手 (90283522)
中 充子  三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
キーワードmRNA differential display / in situ hybridization / two-hybrid system / 遺伝子治療 / 遺伝子発現 / ヒト疾患病態
研究概要

薬物治療学は臨床医学の中心的な領域であり、その科学的基礎を確立することが薬理学の大きな役割である。しかしながら従来の薬理学は、この臨床薬物治療学において十分な機能を果たしていなかった。そこで、我々は最新の分子生物学的技法をこの研究領域に導入して、現在の臨床薬物治療学の問題点を克服することを試みた。その技術の主要なものはmRNA differential display、in situ hybridization、two-hybrid systemなどである。すなわち、本研究の目的は(1)現在のmRNA differential display法をより微量化、迅速化し、血液細胞、バイオプシー検体への応用を可能にし、臨床薬物治療学の分子的基盤を構築するための技術的基礎を確立する。(2)薬物治療により誘導される遺伝子群(治療遺伝子)を解析する。その結果、薬物治療の分子機構における各治療遺伝子の役割を明らかにする。(3)これらの新技術により解析された薬物治療に関与する「遺伝子発現マッピング」の大量データをデータベース化し、新しい薬物治療学の分子的基盤を構築する。新規薬物標的分子(治療遺伝子)の探索研究において、最終的にはヒト疾患病態における医学的意義解明が必須となる。そこで、より直接的にヒト疾患における情報を新規薬物標的分子(治療遺伝子)の探索研究に生かす方法として、ヒト疾患病態における遺伝子発現プロフィール解析を試みた。まず、ヒト乳癌における遺伝子発現プロフィールを解析した結果、解析総数5837バンドのうち約3%(185バンド)に、発現変化を認めた。そこで、この185バンドの塩基配列を決定し、分類を試みると、既知関連遺伝子18%(34バンド)、既知遺伝子28%(52バンド)、EST36%(66バンド)、新規遺伝子18%(33バンド)であった。さらに、胆道癌など他のヒト疾患における遺伝子発現プロフィール解析により、同様の結果が得られている。現在、発現変化の顕著な遺伝子を選び、組み換え体を作製、精製し、その機能解析を進めている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tomoaki Nakamura: "A Unique Exon-Intron Organization of a Porcine S100C Gene:Close Evolutionary Relationship to Calmodulin Genes" Biochem.Biophys.Res.Commun. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Terumasa Mino: "Two Distinct Actin-Binding Sites of Smooth Muscle Calponin" European Journal of Biochemistry. 251. 262-268 (1998)

  • [文献書誌] Satoshi Matsushima: "Propiverine Hydrochloride,an Anti-Pollakiuric Agent,inhibits the Activity of Actomyosin ATP ase from the Urinary Bladder" European Journal of Pharmacology. 333. 93-97 (1997)

  • [文献書誌] Hiroyasu Inada: "QM Is a Novel Zinc-Binding Transcription Regulatory Protein:Its Binding to c-Jun Is Regulated by Zinc Ions and Phosphorylation by Protein Kinase C" Biochem.Biophys.Res.Commun.230. 331-334 (1997)

  • [文献書誌] 西村有平: "Nitroprussideによる血管平滑筋の遺伝子発現機構" 臨床薬理. 1. 161-162 (1997)

  • [文献書誌] 辻本豪三: "薬理学の新しい研究領域:ファルマインフォマティックス" 日薬理誌. 110. 31-36 (1997)

  • [文献書誌] 田中利男: "カルシウムと生命" カルシウムイオンと細胞機能調節機構, 26 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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