研究課題/領域番号 |
08557147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
大熊 誠太郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30152086)
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研究分担者 |
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 受容体発現調節 / β-アドレナリン受容体 / Up-regulation / 初代培養神経細胞 / Immediate early gene (IEG) / GABA / Ca^<2+> channels |
研究概要 |
β-アドレナリン受容体(β-AR)を研究の対象とする受容体に選び、初代培養大脳皮質神経細胞をβ-AR拮抗薬に長期間曝露し、β-AR蛋白およびそのmRNA発現の変化を検討し、併せて受容体発現の調節を行う因子の検索と調節機序における役割の検討を試みた。β-AR受容体蛋白は受容体拮抗薬であるnadolol(NAD)の曝露後12時間目には著明に増大し、24時間目にはほぼplteauに達し、以後96時間目までほぼ同一レベルであった。β1-およびβ2-ARのそれぞれのmRNAレベルは、NAD曝露後12時間で有意な増加を示し、以後96時間まで漸増するのが観察された。これらの実験成績から、β-ARのup-regulationはmRNAの増加に関係しない早期の受容体発現増加期と、mRNAの発現が関与する後期の受容体発現増加期が存在することが明らかとなった。諸種のIEGsのmRNA発現をNAD曝露後経時的に検討したところ、NAD曝露後15分で一過性のZif286mRNAの発現増加、ついでnadolol曝露3時間目にc-fos mRNA発現の一過性の増加、12時間目にc-jun mRNAの一過性の減少が認められた。NAD曝露開始前に神経細胞にZif286 antisenseを導入したところ、NAD曝露によっても[3H]CGP-12177結合の増加は観察されなかった。以上の実験成績から、β-AR受容体のup-regulationは、受容体mRNAの増加を伴わない早期のβ-AR受容体蛋白質の増加、および受容体mRNAの増加を伴った受容体蛋白質の増加のみられる後期の2つの異なる過程により生じていること、また、このup-regulationの発現にZif286が関与していることが明らかとなった。
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