研究課題
本年度はアデノウイルスの多くの血清型と反応するモノクロナール抗体の作製とウイルス検出系の構築を行った。BALB/cマウスをアデノウイルス3、4、8、19、37型を感染させたHela細胞で免疫し、細胞融合を行い、いずれかの型と反応するモノクロナール抗体を産生ハイブリドーマを選択した。得られた11クローン大部分(9クローン)は全ての型と交差反応を示し、2つが型特異的な反応性を示した。ことから、大部分の抗体は、血清型に共通するエピトープを認識すると考えられた。また、いずれのモノクロナール抗体もウイルス中和能は有しなかった。これらのモノクロナール抗体をビオチン化して、種々の組み合わせで酵素抗体法によるELISAサンドイッチ法で従来の検出系と同等以上の検出能を持つことが解った。この中から、ウイルスに特に高いアフィニティをもつ抗体を4つ選び、これらを産生するハイブリドーマをマウス腹空に投与して腹水から大量精製した。次に、精製抗体を用いてウイルス検出用重合抗体の作製条件の検討を行った。迅速な検出のために、酵素標識抗体法でなく、色素標識抗体法を用いることとし、抗体の重合度と色素の導入度、および高感度検出のための色素等を検討中である。
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