研究課題/領域番号 |
08558003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
細川 健次 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (00046450)
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研究分担者 |
東城 哲朗 東洋炭素株式会社, 技術開発部, 部長代理
金井 宏俶 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (40026050)
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キーワード | 竹-オリゴ糖複合体 / γ線照射 / 炭素収率の増加 / TEM |
研究概要 |
1.活性炭を調製する場合の重要な課題の一つとして、炭素収率の増大がある。我々は竹-オリゴ糖(シクロデキストリン)複合体えγ線を照射することにより、オリゴ糖の高分子化を促進し、炭化課程での早期の炭素前駆体を形成させた。その効果は炭化収率の増加となってあらわれ、900°Cでの収率はγ線を照射体が未照射体に比較して4%増加した。他方、竹-フェノール複合体(未照射)を原料とした炭素の収率は竹-オリゴ糖複合体と同等(28%)であったが、硬度において前者に劣る結果となったので、今後の検討を必要とする。 2.調製した活性炭前駆体の電気抵抗値は、その性質を示す一つの指標となる。竹-オリゴ糖複合体でγ線照射した炭素の抵抗値は1000°Cの処理温度で1.0〜1..8Ωであったが、竹-フェノール複合体(未照射)の炭素は処理温度1000°Cで前者より低い0.89Ωの値をしめした。この炭素を2000°Cで処理した炭素の抵抗値は、0.77Ωと低下した。この理由は現段階では不明であるが、これらの炭素のX線回折図形に一部シャープなピークがみられることから、部分的に結晶化の進んだ構造生じていることが考えらる。 3.活性炭の持つ細孔がどのようにして発現するかは、諸説のあるところである。その一つとして原料のもつ微細構造が寄与していると考えられる。我々が調製した竹-オリゴ糖複合体の2000°C処理炭素のTEM写真の観察によれば、そのものは典型的な難黒鉛化炭素の構造をしめしている。すなはち、細長いリボン状組織が30Å前後のループを作って曲がりながら絡まる様子を見せている。また、あきらかにもとの繊維軸にたいして(002)面の配向が見られるものがあるので、これが、低い電気抵抗を示す構造ではないかと考えられる。より多種類の炭素のTEM観察を比較することいより、構造と細孔の発現の関係が解明出来ると期待してる。
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