研究概要 |
「新しい学力観」では,これまでのような教師による伝達中心の授業ではなく,児童生徒自らによる課題解決,学習活動中心によるの授業を創造することが求められる。しかも,これまでの理科や社会といった教科との関連を十分に配慮しながら,新しい学習観に基づいた,総合的な学習活動をともなう教材の開発が必要である。本研究は,このような問題の解決を求めて,具体的なカリキュラムと支援システムを開発し実用化することを目的としている。 今年度は,分担者を, (A)インターネット対応のデータベース自動登録と可視化ソフト,および,WWWブラウザへのリンクシステムの開発 (B)子ども用支援ツールの開発 (C)酸性雨の共同観測カリキュラムのための教材ソフトの開発の3つのグループに分け,開発を進めた。 データベースとしては,汎用の関係データベースDB2をNTサーバーに導入し,この周りに必要なツール群を開発した。支援ツールは,今回の酸性雨の共同観測以外でも調べ学習や共同実験を支援できるよう汎用のツールとして開発した。また,子ども用支援ツールは,通信ネットワーク対応の通信ソフト・統計グラフソフトなどを開発した。 教材ソフトは,主として,小学校の5・6年より上の課題解決学習教材として整備した。また,サーバーは,100校プロジェクトなどインターネットからも利用できるようにした。 全国の小中学校に対し,実践協力校数校を募集したところ,インターネット利用校,ISDN利用校,普通回線利用校など異なった通信環境の小中学校の9校が参加し,平成8年10月より,実践を開始している。この結果の分析については,来年度行うとともに.整備されたカリキュラムをCD-ROMなどでも利用できるようにし,来年度もさらに規模を大きくして実験する予定である。
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