研究概要 |
今年度は,昨年度の予備的な研究に引続き,以下の研究を行った。 1.設計言語とシミュレーション環境に関する研究 イベント駆動順序機械の相互接続によって,プログラムの操作的意味を与えることによって,設計言語を定義した。我々の設計言語では,時間成分を含むデータのためのデータ型,と設計パターンライブラリの導入によって,設計者にプログラムの実行遅延を意識することなく,実時間軸上のシステムの動作を記述することを可能にした。 自動車を対称にいくつかの制御ソフトウェアが我々の設計言語で簡潔に記述可能であることを確認した。 Mathworks社のMatlab/Simulinkをプラットホームとして,開発/シミュレーション環境を構築した。シミュレーションに関しては,被制御系からの帰還のない開ループの系を対象として,設計段階での機能確認に十分な精度でシミュレーション可能である。 2.ソフトウェア文書のオブジェクト構造の検討 関数仕様書とソースコードを対象に,構造化文書としての構造を明かにし,ソフトウェア文書データベースを試作した。 ソフトウェア文書データベースでは,ソフトウェア文書を構造化文書の形で保存する。ソフトウェアオブジェクトと構造化文書の文書要素が対応しており,ソフトウェアオブジェクトへの参照要求に対しては,構造化文書の中から対応する要素を返す。この機能を利用することによって,仕様書やソースコードでのオブジェクト単位での比較やバ-ジョン管理を可能にした。
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