研究課題/領域番号 |
08558036
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津田 健 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016585)
|
研究分担者 |
加能 納一 金子産業(株), 技術部, 次長
久保内 昌敏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00186446)
|
キーワード | フレームアレスター / 火炎防止 / 石油精製プラント / 石油化学プラント / 設置位置 |
研究概要 |
可燃性ガスや可燃性液体を輸送する配管、貯蔵タンク等においては、火災の伝播による爆発や爆ごうを生じる恐れがあり、この危険性を防ぐ1手段として、伝播する火災を途中で消炎させるフレームアレスターが使用される。このアレスターの消炎性能については、いくつかの報告があるが、実際の装置に適用する場合、設置位置、設置部の構造について検討しておかなければならない。 そこで、垂直J-ベンドを有する燃焼管を用い、アレスター設置位置やベンドの曲率半径を変化させて消炎実験を行った。燃焼ガスとしては石油精製及び石油化学プラントを考慮しプロパンガスを用い、アレスターとしては、現在実際にこれらプラントで慣用されている金網型アレスターを用いた。さらに、消炎性能を定量的に表すため火炎速度に注目することとし、フォトトランジスタを用いた火炎速度測定器を新たに開発し、アレスター直前の速度を変化させながら消炎実験を行った。 その結果、まずアレスター突入時の火炎速度により消炎性能が定量的に扱えることを明らかにした。次いで、アレスターの設置位置、構造を変えて実験を行ったところ、アレスターが点火源に近い所に設置されているほど、またベンドの曲率が小さいほど消炎性能が高い傾向が認められた。この原因は、火炎温度が助走距離(点火源からアレスターまでの距離)とともに上昇し、ある距離以上で一定となるためであり、したがって、消炎性能は、設置位置、曲率半径にかかわらず助走距離で整理できることを明らかにした。 以上より、アレスターは火炎温度が低い位置、すなわちできるだけ点火源に近い所に置くべきであることを明らかにした。また、ベンド形状は消炎性能そのものには影響を及ぼさないことも示した。
|