研究分担者 |
土屋 之也 (株)西原環境衛生研究所Hatプロジェクト, 主任研究員
高島 正信 福井工業大学, 建設工学科, 講師 (30257498)
奥村 充司 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 講師 (70177187)
宮島 昌克 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (70143881)
北浦 勝 金沢大学, 工学部土木建設工学科, 教授 (70026269)
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研究概要 |
本研究は,環境保護を考慮した下水道施設の耐震強化法と震後復旧支援システムの開発を行うことを目的としており,本年度は以下のような成果を得た. (1)液状化による下水道管渠の被害防止対策としてグラベルドレーン工法を取り上げ,振動模型実験によりその効果を検討した.本工法は液状化時の過剰間隙水圧を早期に消散させることを原理としているが,地盤にグラベルを打設する置換効果やグラベルの剛性によるせん断変形抑制効果もその付加機能として有することを明らかにした.今後は,グラベルの剛性によって液状化による側方流動を抑止する効果について,実験的に明らかにしていく予定である. (2)1995年兵庫県南部地震における下水道施設の被害資料を収集し整理した.下水管渠については,管本体の破損が全体の約半数を占め,特にマンホールに直接接続している管渠に被害が多かった.また,処理場については,3つの施設で処理機能に影響を及ぼすような被害が発生し,その被害程度は液状化の著しく発生した地区に集中していたことが明らかとなった.今後は,上記の構造被害の要因分析結果を基に,機能被害との関係について検討していく予定である. (3)1993年釧路沖地震における標茶町の上下水道施設被害事例に関して,管渠の敷設状況や地震後の被害状況,またボーリング柱状図や地下水と河川の水質,さらに地震前後の自治体と住民の行動や対応についてのデータを収集し整理した.地震後に下水量を監視しながら上水道の復旧を行った結果,断水期間は長期に及んだ汚水の河川への直接放流を回避することができたという標茶町の事例より,環境保護を考慮した上下水道施設の震後復旧システムのヒントを得ることができた.しかし,断水時の給水活動については給水量が不足するなどの問題点も生じており,今後それらの効率的な実施及び連携方法について検討していく予定である.
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