本年、まず本研究の遂行に必要不可欠なターゲットチェンバーを原研・高崎研の3MeVタンデム加速器のビームラインに結合し、高エネルギーイオンビームを用いるRBS分析により水溶液と接触した薄膜窓(厚さ5mm)の裏に吸着された原子の濃度を測定するシステムを完成させた。引き続き、実際に水溶液と接するSi薄膜窓に9MeVHe^<++>イオンビームを照射し、Si薄膜窓の耐久試験を行い、固・液界面の吸着原子のその場測定が可能であることを確認した。 第一段階の実験として、SiO_2表面上に真空蒸着したAu原子の超純水に対する脱離率を測定した。Au原子濃度は超純水中に脱離しないことが観測された。第二段階としてSiO_2表面上に真空蒸着したPb原子の超純水に対する脱離率を測定した。4.3原子層のPbのうどは超純水中へきわめて速く脱離するため、超純水注水により3分後に測定したRBSスペクトル中にPb原子からのHeの散乱強度は観測されなかった。この事実からPbのの超純水の溶解速度は1.3x10^<13>/cm^2・sより大きいと決定された。(投稿論文参照)) 現在、SiO_2表面上の吸着Pb原子の水中への脱離速度のpH依存を測定している。
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