研究概要 |
本研究開発の目的は,沿岸域における炭素循環メカニズムと海洋と大気の間のCO_2の流量を明らかにするために,平衡器として気体透過膜,計測部にNDIRを用いてコンパクトな海水中のCO_2分圧測定システムを開発することである.研究初年度の平成8年度は,実験室において気体透過膜と計測部(NDIR),コントローラーによるシステムを組み,その作動条件,測定値の安定性,精度などをテストした.その結果,0〜1000ppmの範囲では,気体透過膜内の試料空気と海水中のCO_2とが平衡に達するのに3分かかることが明らかになった.従来のシャワー法による平衡器が平衡に達するのに10分以上必要であり,従来法に比較して短時間で平衡に達するので,CO_2の変化の激しい沿岸域の観測に適していることが明らかになった.また消費電力も,従来の数分の1ですむので,長期の連続観測が可能である.
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