研究課題/領域番号 |
08558061
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 京都大学 (1997-1998) 東京大学 (1996) |
研究代表者 |
白山 義久 京都大学, 理学研究科, 教授 (60171055)
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研究分担者 |
竹内 和久 三菱重工, 長崎研究所, 研究員
藤岡 祐一 三菱重工, 長崎研究所, 主務(研究職)
北里 洋 静岡大学, 理学部, 教授 (00115445)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | バイオモニタリング / 線形動物 / 有孔虫 / 高圧容器 / 低pHの影響 / 高濃度炭酸ガスの影響 |
研究概要 |
研究の最初の段階で、高圧飼育装置を設計制作し、深海生物例えば線形動物をその中で少なくとも2週間飼育することができた。この高圧飼育装置は、任意の圧力に内部を最大200気圧まで調整することができる。さらに、減圧することなく、飼育海水を交換することも可能である。この装置を使って、深海産線形動物の高濃度炭酸ガス環境における生存率を測定し、浅海種とほぼ同様の感受性を持つことが明らかになった。また溶存酸素濃度に応じて、蛍光を発するプラスチックを利用して、呼吸速度を測定することも試みた。しかし、このプラスチックは圧力に応じて蛍光強度が変化することが明らかになり、実用化のためには、今後さらに研究を継続する必要があることが明らかになった。また線形動物以外に、有孔虫類の飼育も試みた。この動物は炭酸カルシウムの外骨格を持ち、炭酸ガスの影響を受けやすいと予想されたが、高圧条件では通常の海水でも外骨格が溶解してしまうため、炭酸ガスの影響を調べることはできなかった。1997年に研究代表者が瀬戸臨海実験所に異動したため、研究の対象をむしろ浅海生物に変更し、今後到達が予想される炭酸ガス濃度が、海洋生物にどのような影響を与えるかを、低濃度、長期間の実験で明らかにすることを調べた。その結果、2000ppm程度の炭酸ガス濃度でも、浅海の炭酸カルシウム外骨格を持つ動物にとっては、重大な影響があり致死的ですらあることが明らかになった。この結果から、さらに低濃度の炭酸ガスに海洋生物が長期的にさらされた場合、どのような影響があるかを解明する研究を、今後推進する必要があることが明らかになった。
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