研究概要 |
本年度は除塵特性に重点を置き,室温で以下の検討を行った. フライアッシュ粒子の捕集・払い落とし実験を市販セラミックフィルタを用い,ろ過流速,払い落とし条件を種々に変えて行い,各因子間の影響を定量的に求めた.この時,装置入口出口濃度等の測定には,パーティクルカウンターおよびアンダーセン煙道サンプラー,レーザー回折粒度測定装置などを用い,フィルタ前後の圧力測定には圧電素子型のセンサーを用い2000Hzでサンプリングした.その結果, ・堆積粉塵の払い落とし効率は,払い落とし用圧縮空気圧が高いほど高くなるが,堆積粉塵量が同じでも,充填率が高いほど,また,同一充填状態では,高ろ過速度ほど払い落とし効率は低くなることが明かとなった. ・粉塵の払い落としは,粒子充填率が低ければ噴射直後に生じるが,高ければ,僅かな時間遅れる.そして,払い落とされたダストの移動速度は粒子充填率が高いほど遅いことが明かとなった. ・払い落とし気流の噴射後の圧力形成過程はフィルタの位置により異なり,最上部では噴射直度フィルタ内側の圧力が外側より低くなり、その後高くなることが,確認されたが,フィルタ中央部,下端部では,気流噴射直後に急激に内圧が急激に上昇し,その後緩やかに減少することが関された.そして圧力の最初の急激な上昇が粉塵の払い落としに有効なことが確認された.このことより,フィルタ最上部では瞬間ではあるが,払い落とし気流の吹き込みは粉塵の払い落としにマイナスに寄与することが明かとなった. ・捕集粉塵の払い落とし時の気流解析を行うためのモデル化と基礎方程式を確立した.
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