研究分担者 |
伊藤 隆 理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 研究員 (80261147)
木川 隆則 理化学研究所, 細胞情報伝達研究室, 研究員 (20270598)
河合 剛太 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (70211860)
武藤 裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (30192769)
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研究概要 |
(1) タンパク質の安定同位体標識 ・無細胞タンパク質合成法の改良:大腸菌の無細胞反応液の組成を改良し,バッチ法の反応(約1〜2時間)で,合成効率を約0.3mg/mL以上にまで上げた.さらに,この条件を透析法に適用し,反応を十数時間持続させ,約6mg/mLに到達することができた. ・無細胞タンパク質合成法による均一標識:^<15>N標識または^<13>C標識アミノ酸混合物を用いて,均一標識タンパク質を調製し,多次元NMRスペクトルを測定することに成功した. ・無細胞タンパク質合成法による位置特異的標識:^<15>Nまたは^<>13C標識したチロシンをアンバーサブレッサーtRNAに結合させ,タンパク質の特定位置を標識することに成功した. ・[Ile/Leu/Val-^1H/^<13>C,Phe/Tyr-^1H,uniform-^2H,uniform-^<15>N]標識タンパク質:この新しい標識法により,分子量3〜4万の試料の構造解析が可能であることを示した. (2) RNAの安定同位体標識 ・均一標識:酵母を用いて^<15>N標識,^<13>C/^<15>N標識,^2H(30-70%)/^<13>C標識,^2H(50%)/^<13>C/^<15>N標識ヌクレオチドを生産してNTPに変換し,T7 RNA polymeraseにより標識RNAを調製した.^2H標識により,高分子量RNAの^<13>C/^<15>Nシグナルが良好に観測された.T7転写では短鎖のRNAの合成に難があったが,繰り返し配列を持つ長鎖RNAを標識しておき,RNaseT_1で切断することにより,標識された短鎖RNAを調製することにも成功した. ・位置特異的標識:[5-^2H]uridineおよび[3-^<15>N]uridineをアミダイト化し,十数残基のRNAを化学合成する際に,特定の位置に導入した.これにより,polyuridine配列のシグナルの帰属が初めて可能になった.他方,さらに高分子量RNAの場合に,[^<13>C,^<15>N]pGpなどをRNA ligaseにより非標識RNAと結合させて,部位特異的な標識・観測を行った.
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