研究課題/領域番号 |
08558085
|
応募区分 | 試験 |
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
|
研究分担者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
古我 知茂 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50186649)
山根 正信 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90069071)
福田 博之 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20069016)
|
キーワード | 大脳皮質 / 細動脈 / 細静脈 / ニードルプローブ / CCD生体顕微鏡 |
研究概要 |
脳の高次機能は、物理的には常に中断することのない血流により支えられているので、脳微少循環の解析は重要である。本研究は、ニードルプローブCCD生体顕微鏡を改良発展させ、プローブを大脳皮質内に挿入することにより生体内で大脳皮質の微小循環と神経活動を可視化するシステムを開発することである。本年度は、微小血管(細動脈と細静脈)の可視化に重点を置き、新しいシステムを構築し、その性能を確認するとともに、実験装置としての実用性を検討した。新しいシステムはリレーマイクロレンズをいれたニードルプローブと三原色に対応するCCD型の撮像部あるいはモノカラーハイビジョンの撮像部および高精度モニターからなる。時間分解能は33ミリ秒であるが、UASF1951Test Teigetを用いて調べた空間分解能は3CCD型撮像装置では4μm以上、ハイビジョン型撮像装置では2μm以上であり、血球計算板を撮影して調べた限りでは、像の歪は認められなかった麻酔犬の頭蓋骨を除去し、頭を固定して脳表面の細動脈と細静脈を観察したが、微小血管のみならず、赤血球の動いている様子も観察できた。細動脈と細静脈は、血液の色調、血流方向、加温したクレプス・ヘンゼライト液の頚動脈注入により、明確に区別することが可能であった。出血が障害となるため全例ではないが、脳表より1〜2mmの切れ目を入れて、大脳皮質内の細動脈・細静脈の可視化が一部の例では可能であった。アデノシンあるいはニトロールの頚動脈内投与により、細動脈が著名に拡張したが、この際、内頚動脈血流も同様に増加した。アンギオテンシンの頚動脈内投与により、脳の細動脈の直径は明らかに減少したが、内頚動脈血流も減少した。アデノシンによる細動脈の拡張は一様であったが、アンギオテンシンによる収縮は空間的に不均一であった。以上、本研究で開発したニードルプローブCCD生体顕微鏡は微小血管の動解析に有効であった。
|