研究課題/領域番号 |
08558086
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 昭夫 (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 副所長 (60072980)
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研究分担者 |
木村 敦子 東京都老人総合研究所, プロジェクト, 研究員 (60214863)
鈴木 敦子 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究員 (80162923)
堀田 晴美 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 主任研究員 (70199511)
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キーワード | 脳血管 / 脳血流 / 頭窓法 / 血管径 / 脳血流の神経性調節 / ラット |
研究概要 |
本研究は、細動脈から毛細血管まで大脳皮質や海馬などの脳内の種々の部位の脳微細血管を連続的かつ定量的に観察する方法、およびその血管に直接分布する神経を観察する方法を開発することを目的とする。本年度は、意識下動物での測定の準備として、麻酔ラットにおいて、1.最近開発されたデジタルマイクロスコープを用いて、大脳皮質表面の微細血管を連続的に観察する方法と、2.脳血管を瞬時に固定し、電子顕微鏡を用いて脳実質内の血管直径の変化を測定する方法を開発した。 1.麻酔下人工呼吸下ラットの頭蓋骨を一部除去して前頭葉を露出し、表面の血管にデジタルマイクロスコープの焦点を合わせ、連続的にビデオテープに記録した。デジタルマイクロスコープの倍率1000倍で、直径15μm前後の細動脈の直径の変化を捉えることができた。脳血管を拡張させることが知られている10%の炭酸ガス吸入刺激を行うと、細動脈の直径は、14.5μmから20.3μmに約40%拡張した。30mg/kgのニコチン静脈内投与では直径は14.9μmから16.3μmに約10%増大し、ニコチンにより大脳皮質血管が拡張することがわかった。 2.麻酔下人工呼吸下ラットの頭蓋骨を一部除去して前頭葉を露出し、刺激のない状態とニコチン投与後において、グルタールアルデヒド固定液を脳表からかけて脳を瞬時に固定し、電子顕微鏡切片を作成し、脳実質内毛細血管の断面積を測定した。ニコチン投与後には、何も刺激しない状態と比べて脳実質内毛細血管断面積は約20%増加しており、大脳皮質血管が拡張していることが明らかになった。来年度にはこれらの方法を意識下の動物に応用する予定である。
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